尊敬する音楽プロデューサ、亀田誠治さん(光栄なことに、雰囲気が似ていると言われる。笑)がプロデュースする音楽イベント「亀の恩返し」に行ってきました。亀田誠治さんといえば、最近では東京事変のベーシスト。それ以外にも、たくさんのアーティストをプロデュースしています。(wikipedia:亀田誠治)YUKIの「17才」「ふるえて眠れ」とかね。
行ったのは2日目の5/3の公演です。出演アーティストは、
- スピッツ
- Chara
- KREVA
- Do As Infinity
- 絢香
- スガ シカオ
どのアーティストも亀田誠治さんに縁のあるアーティストです。
単なるフェス形式のイベントではなく、全体に「ありがとう」というコンセプトでまとめられており、アーティスト間のコラボレーションあり、アーティストとアーティストの出番の間には、詩や映像のパフォーマンスありの、とても素晴らしいイベントでした。
まず、会場。
日本武道館だったのですが、360度ステージです。
そして、「なんだこりゃ!!」とびっくりするようなステージの形でした。その名も「ファンタスティック変則ステージ」。
南北に二つの大きなステージがあり、かつ、中央部にストリングス隊が座るブースがあります。そして、東西にボーカルステージが一つずつあるという構成。ステージの背はほとんどなく、360度どの席からもステージ全体が見渡せました。ステージは、全体が白の緩やかなスロープでできており、ボーカルは自由自在にすべての方角へ歩き回れます。そして、光が当たる度に様々な色に変化するステージはきれいでした。
アーティスト間のコラボレーションは、
- KREVA × 草野正宗「くればいいのに」「生まれてきてありがとう」
- Chara × Do As Infinity「やさしい気持ち」
- 絢香 × スガ シカオ「夜空のムコウ」
- などなど、プレミア感あふれるものでした。
セットリストと、公式ライブレポートは以下の通り。
スピッツ’s 公式ライブレポート
- 春の歌
- チェリー
- メモリーズ
- 水色の街
- 正夢
Chara’s 公式ライブレポート
- Tomorrow
- Cherry Cherry
- o-ri-on
- FANTASY
- あたしなんで抱きしめたいんだろう?
KREVA’s 公式ライブレポート
- 成功
- アグレッシ部
- くればいいのに(WITH 草野マサムネ)
- 生まれてきてありがとう(WITH 草野マサムネ)
- 恩返し (新曲。リリース未定)
- あかさたなはまやらわをん
Do As Infinity’s 公式ライブレポート
- 空想旅団
- 遠くまで
- 遠雷
- 冒険者たち
- 陽のあたる坂道
絢香’s 公式ライブレポート
- おかえり
- 夢を味方に
- ありがとう。
- 三日月
スガシカオ’s 公式ライブレポート
- 春夏秋冬
- 真夏の夜のユメ
- Hop Step Dive
- コノユビトマレ
- 夜空ノムコウ (WITH 絢香)
Special Session 公式ライブレポート
- やさしい気持ち (BY Chara × Do As Infinity &スピッツ×ハウスバンド)
- 魔法のコトバ (BY ハウスバンド、スピッツ、絢香)
正宗の声は、どんなアーティストの曲も、彼独自の世界にしてしまうものでした。
Chara、伴ちゃん、絢香の歌唱力には改めて感動。それも、誰一人として違う個性。
Charaの独特の歌い回しやパワフルさ、3人の歌姫の中ではもっとも野性的で型破り。
伴都美子のストレートな声ののび。伴ちゃんは、ピッチより自由な伸び、アップチョーキングみたいな感じで、それはそれで僕はものすごく好きです。
絢香は、それらと逆で、とても優等生的。ピッチ感の良さ。とてつもなく伸びる高音。安心感を感じる声。どんなアーティストも生が一番ですが、絢香は数少ない、CDでは良さが伝わりきらないボーカリストの一人です。
彼女の生歌はほんとうに好きです。
治療とはいえ、しばらく聞けなくなってしまうのは、本当に残念。
Do As好きの僕が、今日は絢香ことばかり書きます。
彼女はJ-WAVE LIVEで、生声を聞いて、そのすばらしさに出会いました。
16bit 44.1khzというCDでは、とても記録できない声の持ち主です。
そして、Do As同様、歌詞が前向きで共感できます。
また、関西弁がいいね。
今回も、最初に大泣きしたのは 「三日月」でした。笑
話変わるけど、KREVAと、絢香の旦那は、SFC出身者ですね。
そして、オープニングとエンディングで、会場ナレーションを行ったのは、愛しの部長、もとい、秀島史香さんでした。
「おぅ〜いぃ、ヒデシマくーん」
の秀島史香です。「am/pm e-コミュニケーション!」の声の。
各アーティストとも、歌う前に亀田さんとの出会いやエピソードを話すんだけど、それ以上に、亀田さんが各アーティストに対して、
「出会ってくれてありがとう!」
「10年間も一緒に仕事が出来て、僕は幸せです」
などなど、感謝を述べる。
最後の曲が終わると、スクリーンに映画のエンドロールのように、出演アーティスト、バックバンド、詩や映像のクリエータ、企画側の人、スタッフなどなどの名前が流れ、亀田さんが一人一人に感謝の言葉を述べて、本編が終わりました。
客電がつき、秀島史香の声で「今日の公演は以上です。今日は、亀田誠治さんのプロデュースした亀の恩返しにお越し頂きありがとうございました。私も、このような温かい場に居合わせることが出来て幸せです。」(みたいな)といった終演アナウンスが流れると、お客さんから大きな拍手が起きた!という、未だかつて無く、心が温まるイベントでした。
「音楽へ恩返しを。そして、こんな時代だからこそ、みなさんに音楽を使って恩返しをしたい」。そうやって1年前の構想から、この2日間の実現に至ったらしい。
ほんとうに、心の底から音楽と、音楽仲間が好きでたまらないんだな、この人は。と、亀田さんのことを思いました。
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SFCベル研こと、ソーシャルプロデューサーズスクール出身者がいうのも犯罪的ですが、プロデューサというのは一般的イメージとして、
「何をしているか分からない」
「現場の泥臭い部分も知らないで、おいしいところだけもっていく」
「実体は、ものづくりも、何も出来ない人。引退者」
といった負のイメージがあります。
実際、そのイメージそのもののプロデューサもいる。
少なくとも僕は「職人」になりたいと思ってきたので、プロデューサになることは、好きではなかった。
プロデューサというのは、現場も触れないし、ものづくりの最も面白い部分にも携われない。プロデューサになるとしても、「職人」としての現場を一通りやり終えてからでいいじゃないか、と。
しかし、亀田さんを見ていると、そういったマイナスイメージとはほど遠い、もう一つのプロデューサ像を感じることが出来る。
多くの仲間への信頼の上で成り立っている職業。それがプロデューサだ。
関係するすべての仕事のことを理解していないといけない視野と経験の幅の広さ。一方で、その世界で一流を目指す現場の「職人」しか決して分からない「深み」の部分を犯さない敬意と信頼の気持ち。
特に後者ができるかできないか、ってところに、良いプロデューサと良くないプロデューサの分岐点があると思います。
亀田さんのようなプロデューサであれば、プロデューサと呼ばれても良いかなぁ、と思ったりしました。
10年間もの長い時間をかけて、お互いの信頼を育て、仕事をしつづけるパートナーがいること。
こんなにたくさんの素晴らしいパートナーと、お互いに感謝をしあい、そして、これだけ多くの人々の心を動かすような仕事をしていること。
少なくとも、そのような仕事を僕も出来ればいいなぁ、と心から思います。