当日の様子

当日の様子

4月29日(祝)の夕方から夜にかけて、東京・西恵比寿のカフェ EAT TOKYOで、海士町(あまちょう)の関連イベントAMAカフェが開かれました。僕は、司会、兼、場作りファシリテータとして参加させていただきました。

AMAカフェは、都市と海士(以下、AMAと表す)を繋ぐ交流の場として今までも数回開かれています。今回は、少し指向を変え、AMAを体験したことのある人たちで、AMAとのつながりが少し薄れてしまった人たちの間の交流を促進することと、そこから再びAMAとのつながりを取り戻すキッカケをもってもらえれば、という指向で開催しました。

海士町とは?

海士町とは、島根県の離島である隠岐諸島の一つの島、中之島を領域とする行政区。

ユニークなまちづくりを次々と行う島として、注目を浴びています。

このイベントの目的

集まった18人は、AMAカフェ主催の株式会社巡の環の信岡くん(以下、のぶくん)の友達が多く、AMAに行ったことのなる人が約7割、そのうち2割程度は3回以上のリピータ。のぶくんの友達ということもあり、みな個性豊かな人たちで、年齢も大学生から30代まで、職業は学生、会社員、起業家、さらにフリーランスの専門職など、たくさん面白い人が集まりました。

のぶおか!男女比をカイゼンせよ!

のぶおか!男女比をカイゼンせよ!

唯一の問題は、男女比。笑

今後の大きな課題だ。ははは

今回のイベントは、AMAや主催の巡りの環からすると、AMA未体験の人にはAMAの魅力を知ってもらい、足を運んでもらうことが目的。一方で、AMA経験者には、再びAMAとの距離を縮めてもらうことや、その場であるAMAカフェ運営チームへの巻き込み、またAMAでこの夏に予定されている音楽祭といった活動へに参加してもらうことも想定していました。

一方で、お客さん側としては、様々なニーズに分かれます。

AMA未体験の人は、AMAのことが知りたいですが、多くがのぶくんの友人として参加しているので、AMAに特別高い関心があるわけではない。むしろ、「最近の信岡は離島で何しているんだ?」ということが聞きたい人も多いと予測できました。

また、AMA経験者でも、多くは最近AMAから遠ざかっている人が多く、僕自身もその一人でした。よって、AMAの現状を知りたいし、再び距離を縮めるキッカケがあれば良いな、といった期待があることが想定されました。

多様なお客さんのニーズを満たしながら、主催者側の目的もある程度満たすために、どういう場作りを行い、どういうコンテンツを用意すればいいか、が、場作りファシリテータとしてのミッションとなりました。

準備段階のウラ話

元々のコンテンツは、Power Pointでのスライドを多用しながら、海士の魅力や人の紹介を、かなりの時間をかけて行うものでした。

これを聞いた僕は、

「これだけ多くの情報量を、一人の人間からプレゼンで聞いても、頭に入らないし効果激減」

「7,8割の参加者は海士を知っているのだから、彼らは退屈。ならば彼ら自身の言葉で魅力を語ってもらうほうがいい」

「人の魅力を伝えたい気持ちは分かるが、Power Pointに書かれたプロフィール情報だけで、人の魅力は伝わらない。」

という提案を行いました。

そして、「7,8割の参加者は海士を知っている」こと、魅力的な人ばかりが集まっていること、この二つを最大の武器とすることとし、参加者自身がコンテンツ・参加者参加型の内容にしようということに、大きく方向性が変わった。(前日に。笑)

そして、ワールドカフェの手法などを取り入れ、以下のようなタイムラインで第一部を行いました。

当日:第一部の内容

15:25 スタート 最初の挨拶

15:30 自己紹介タイム(インタビュー&他己紹介ゲーム)

知っている人同士ばかりで固まらないように、参加者全員立ち上がってもらい、話したこと無い人同士で1対1ペアをくんでもらう。

ペアの相手にインタビューを行う。

テーマは:軽い自己紹介&海士との関わり(海士未経験者:海士について思う期待・今日の会へに期待/海士経験者:海士の魅力)

インタビュー後は着席し、6人1テーブルでグループを形成。グループの中で、インタビュー相手のことを他の人に紹介する他己紹介を行ってもらいました。

テーブルの様子

テーブルの様子

15:55 ステークフォルダーズグループ(手を挙げるルールの説明)

海士経験者・未体験者の双方のニーズを実現するために、 海士に行ったことの無い人(1テーブル)、いったことのある人(2手0ブル)の3テーブルに、再び分かれてもらい、以下のテーマについて話してもらう時間。

未体験者:海士について知りたいこと、期待。質問状。

海士経験者:今の自分と海士との関わり方。最近の海士に思うことを率直に。(最近、忙しくて心が離れてしまっている、等)

AMAへの質問

AMAへの質問

AMAへの質問リスト

AMAへの質問リスト

16:05 ミックスグループによるシェアタイム

それぞれのテーブルに2人ずつ残り、残りの4人は2人ずつ他のテーブルへ移動する形でメンバーシャッフル。

未知の人からの質問に既知・コアは答えてあげてください。

既知の人の発表に、未知やコアの人は耳を傾けてください。

ワールドカフェ形式のダイアローグの様子

ワールドカフェ形式のダイアローグの様子

(休憩1: 5分間)

16:30 海士に関する基本情報のプレゼン

各グループで共通する質問の中に、士に関する基本情報への質問があったので、元々用意していたPower Pointスライドで簡単に説明。

説明に聞き入るわたるくん

説明に聞き入るわたるくん

その後、海士経験者数人から、海士についての魅力を語ってもらいながら、写真のスライドショーをする予定だったが、須子の凡ミスで、そのまま「海士の現状の課題」に関するプレゼンに行ってしまう。。。

16:45 流れが前後したが、ここで再び、海士についての魅力を語る by 参加者 (3人)

AMAの魅力を語るゆうゆう

AMAの魅力を語るゆうゆう

16:55 のぶくんより、今後の海士カフェの計画や、6月の逆ワゴン、夏に予定されている島での音楽イベントなどの説明

(休憩1: 20分間)

17:25 ラウンドテーブル。以下の3テーブルに分かれダイアローグ

音楽イベントに興味のある人のテーブル

今後のAMAカフェ運営に興味のある人のテーブル

その他の話題を話したい人のテーブル

音楽イベントについてのダイアローグ

音楽イベントについてのダイアローグ

17;50 各人で考える時間。以下の質問のフィードバックシートに書き込む

気づきのシート

気づきのシート

18:00 4、5人くらい発表

地元、秋田について熱く語るまっちゃん

地元、秋田について熱く語るまっちゃん

狙い通り、海士を経験したことある参加者は、そうでない参加者に自分の言葉で魅力を語っていた。その過程で、海士の人の魅力の話も出た。当初のPower Pointスライドには載せていなかった、AMAワゴンの成り立ちなどの話も出て、初めての参加者からは多くの質問があった。

ステークホルダーズグループでは、海士未体験のグループから、海士に対する質問を出してもらった。この質問には、海士としても新しい発見があっただろう。また、海士体験済みグループは、今の海士との関係や、今後のAMAないしAMAカフェへの関わり方について、自由に話をしてもらった。この時間のダイアログから、今後の活動の種に繋がるといいなぁ。

当日:第二部の内容

第二部は、海士の食材をつかった料理を、お酒と友に楽しみました。

まずはみんなでサザエと格闘。

サザエと格闘中

サザエと格闘中

その他の料理は、百聞は一見にしかず。写真でお楽しみください♪

隠岐牛のすじ肉をつかった煮込み

隠岐牛のすじ肉をつかった煮込み

EAT TOKYOさんこだわりの野菜たち

EAT TOKYOさんこだわりの野菜たち

EAT TOKYOのオーナー、本日のシェフ

EAT TOKYOのオーナー、本日のシェフ

他にもまだまだ

他にもまだまだ

会の振り返り

5/5に、のぶくんやあーちゃんと会の振り返りを行いました。

全体として、かなり上手くいったと思います。

前日の夜に切り替えた戦略「参加者自身がコンテンツ・参加者参加型の内容にしよう」という戦略は上手く実行できたと思いますし、その結果、当初の課題であった「AMA経験者も未体験者も、共にニーズを満たせる会」もかなりの部分実現できたように思います。

欲を言えば、音楽祭がひかえていることもあり、第二部は音楽など、右脳を刺激するようなコンテンツがあっても良かったかも。少し、左脳ばかりを使いすぎました。

また細かいことを言うと、場づくりファシリテータとしての改善点はたくさんあります。

本来タイムキーパーなど場作りに専念すべきファシリテータも今回は、参加者の一人としてダイアローグに参加する方針だったので、一つ一つのダイアローグの終了時間は、気がついた人が手を挙げる方式を採りました。これにより、各ダイアローグ毎に終了時間を連呼せねばならず、実際にはゆとりのある時間配分だったにも関わらず、参加者の皆さんに「常に時間に追われている」という感覚を与えてしまいました。

カフェ当日のダイアログ

カフェ当日のダイアログ

また、数カ所、台本通りの順番を凡ミスで間違えるなどがありましたが、一方で、臨機応変に休みを長めに入れたり、内容を変えたりと、上手くできたと思います。

予想通り、テーブル毎の色はでて、右脳系アーティスト系が多いテーブルと、左脳系喋るのが上手い人たち系のテーブルに別れ気味だったかな、と思いましたが、それはそれでよかったと思います。第二部で、もう少しその間のコミュニケーションがとれたらよかったかもしれない。

さらに欲を言うと、これは今回の目的設定、全体の時間や、ワールドカフェという手法の採用などからすると、想定以上の要求で、欲張りすぎることなのですが、参加者のみなさんがダイアローグを通して得た発見が、よりその後の具体的な行動に結びつくには弱かったかな、と思います。しかし、これは、オーバースペックな要求です。

いずれにしても、第二部合わせて計6時間以上の時間を、誰一人退屈することなく過ごせたのは、大成功だったと思います。その直後に、次回AMAカフェの運営に関わってくれる人を募集して、その場でブリーフィングを行ったら8人も集まりました。

これがなによりの成功でしょう!

直後に行われた次回AMAカフェ会議

直後に行われた次回AMAカフェ会議

次回、AMAカフェは6月6日です!

6月6日、次回AMAカフェ

個人的には、次回は、関東・関西同日開催!歴代AMAワゴン&その他すべてのAMAイベントの参加者(ゲロ吐き、ちち☆ばす、ブロガー、クリエータ、アグリカルチャなどなど)が大集合する「同窓会」ができれば良いな!と思っています。

もう、AMAワゴンだけでも15回以上開かれていて、参加者も200人はゆうに越えているでしょう。上と下の世代差も10歳近くになっているのではないでしょうか。今でこそ、「若者こそ田舎に行け」などと言われていますが、それよりもはるか前、数年前からAMAに直感レベルでビビっときたモノ同士、たとえ10歳近く離れていても、いや、離れているからこそ、意味のある「同窓会」ができるのでは!と思います。

大学生という青春時代に、AMAというレアな存在に惹かれたもの同士。

若手社会人にとっては、かつての自分と同じセンスと行動力を持った大学生との会話が、日常とはまた違う、懐かしい視点を取り戻してくれる!

現役大学生にとっては、自分と同じセンスを持った先輩が、どんなキャリア選択をして、どんな社会人生活をして、今何を考えているか、リアルに知ることが出来る!

おそらく、AMAを体験したことのある人は、日本列島全体に400人くらいいると思います。

その人たちが、ヨコのつながりを持てるキッカケが、今までになかったのがもったいないくらい!

次回、AMAカフェについて、興味のある方は是非とも、気軽に僕やのぶくんまで連絡下さい。

ほんと、関西でもやりましょう!

– 今回の開催場所「EAT TOKYO」について

参加者のYOSHさん(greenz.jp)の紹介で使わせていただくことになったとのこと。

「EAT TOKYO」さんは、様々なカフェの立ち上げをプロデュース・コンサルティングされている会社で、このスペースは、いわばフラグシップというか、ショーケース的な存在。普段から、この場所で様々な企画の実行のサポートをしたり、ご自身が選んだ、安心・安全で、顔の見える野菜を使った料理などを振る舞うパーティなども行われているとのことです。

– 主催団体「巡りの環」とは?

「巡りの環」は、海士に行くうちに、海士に恋をしてしまった元神奈川(登戸)在住の二人と、同じく同時期に愛知から海士に来ていた男の計3人で、海士町に移住して創った事業会社。島全体を21世紀の大学にしてしまう教育事業や、第11回以降のAMAワゴンの運営などのコミュニティ事業などを手がける。

-AMAワゴンとは?

海士町の中学生が修学旅行のプログラムの一環で、一橋大学で大学生に対し、島自慢を行う講演会を行った際、見に来ていた学生らが感動し、海士町まで行くことになりました。海士町にいった一橋大学の学生は、より感動し、この感動を多くの学生や若者に知ってもらおうと、海士町の役場や教育委員会と協力して生まれたのがAMAワゴン。それは、仕掛け人の尾野くん(当時、一橋大学学部生。現博士課程)や教育委員会の通称ジムインさんが運転するラブワゴンまがいの一つのワゴン。
このワゴンに、東京から東海・近畿を経由して、大勢の大学生・若者を乗せ、島に無料で連れてきてしまう、というもの。もちろん帰りもあります。

現在は、少し内容も実施形態も変わっていますが、ここに当初の告知エントリーがあるのでリンク張っておきます。

– 僕と海士町

2007年2月にEna Communication樋栄ひかるさん主催の海士訪問ツアー「第2回ゲロ吐きツアー」に参加したのが最初の海士体験。

元々、聴講参加していた慶応SFCの井上英之研究会(いの研)が、海士とつながりがあり、行きたいな、と思っていたところで、ANAのマイルが切れるのを機に、ANAのマイルで初AMAしたのが、2007年2月。

その後、計20回くらい行っているかもしれません。

このあたりは、改めて書くことになると思います。

One Response to 2009年4月29日 離島と都市を繋ぐイベント AMAカフェ

  1. […] 先日のエントリー「2009年4月29日 離島と都市を繋ぐイベント AMAカフェ」にて告知した、次回AMAカフェが、以下の要領で開催されます!! […]